内憂外患(4)

来月にはロシアからプーチン大統領がやってくるが相変わらず北方領土
返さないと言う。そもそも領土返還交渉は初めから失敗の連続だった。
戦後日本はそれまでの戦争によって領有した台湾、南樺太南洋群島など
旧宗主国に返還したが千島列島は1875年の千島樺太交換条約でロシアと
平和的に決めたもので戦争で得たものではない。第二次大戦の勝利国達は
領土不拡大を宣言しておきながら約束を反故にして領土を奪っていった。
しかもロシアは火事場泥棒のように終戦間際に不可侵条約を破って日本に
宣戦した。瀕死の重病人を蹴飛ばすような振る舞いを私達は忘れられない。
当時の在満州の日本人への残虐、捕虜の抑留など賠償を要求するべきだが
世界の常識的なことも出来ない日本の外交はなんと情けない事なのだろう。
繰り返すが千島列島は日露戦争の勝利品ではないのは厳然たる事実なのだ。
交渉事はそこからの出発で始めから北方四島に絞った日本の「お人よし」が
交渉を難しくさせているのに気がつかない。千島列島は戦後の平和条約で
放棄させられたが、どこの国のものと決まってはいないし、ロシア自体が
平和条約に参加していないのだから所属を言う資格は無いのはあきらかだ。
そこを突くのが交渉の原点だが1956年の日ソ共同宣言で日本はソビエト
恫喝で歯舞色丹の二島で手を打った。普通ならば、そこで席を立つべきだが
当時の鳩山首相はすごすごと日本に帰ってきた。それが今も後を引いている。
オオカミとヒツジの寓話にも似ているが狡猾さと弱気の見本みたいなものだ。
戦後のソ連帝国の巨大な愚行は決して許してはいけない!