内憂外患(8)

このほど医薬品でないアガリクスの「末期がんに効く」の本が薬事法違反で
摘発されたが藁にもすがりたいガン患者の心理を悪用したこの事件はなんて
罪深い犯罪だろうとしみじみ思う。でっちあげの体験談を紹介していかにも
病気が直ったような記事を書いた人も本を出版した会社の社長も、監修者の
東海大名誉教授も、やった事は人間の皮を被った鬼畜のような行為と同じだ。
新聞で、ある乳がんの患者さんがアガリクスを信じて手遅れになった記事を
読んだとき心の弱みに付け込む犯罪は人の命が関わる殺人に値すると思った。
また監修者は書類送検だけとは検察も教授と言う肩書きには弱いのだろうか。
医者の中には商品を勧めて出版社から金を貰っていた悪徳なのがいたらしいが
監修者も含めて医師免許を剥奪すべきだ。最近の医療事故の多さも困ったが
人間の持つ完全じゃないミスの多少は考慮するとしてもこれは悪質な犯罪だ。
人の命を預かる仕事の人間が命の大切さをどのように考えているのだろうか。
それにしても最近では「健康食品」の数が多すぎるような気がしてならない。
なにかと効能を付けてTVなどで効果等を宣伝すると安易に買う客が多くて、
報道番組にも責任の一端はあるが、自分の体は自分で責任を持つのは当然で
健康の基本は食事、睡眠、運動の三原則をもっと見直すことが大切だと思う。
私も何度か大病の経験をしたが医師を信じるしかない状況で裏切られた事の
恨みはなんて気の毒なのだと憤りを覚える。人は誰も病み老いて人生を歩む。
助ける立場の人が自己欲のためといえ人の道に反するのは、現代社会全体が
病んでいるからなのだろうか。