内憂外患(22)

明日はブッシュ米大統領が来日して、秋の京都で小泉首相と会談する。
いい季節に見えられて良かったと思う。金閣寺など観覧されるようだが
紅葉に映える古都の風情は、なにを語るよりも日本の伝統や文化の美を
実感できてこれ以上のもてなしはないだろう。人気の絶頂な小泉首相
人気に少し陰りのあるブッシュ大統領との出会いだが日米間の確固たる
同盟関係を続ける信頼はお互い固いものがあるに違いない。一日だけの
滞在しかないのは残念だが、いつかゆっくりくつろげる時がくるだろう。
日米安保の始まりは米ソ冷戦時代からの続きだがソ連が崩壊したあとは
いまや世界第二の軍事大国になった中国を見据えての共同作業になるが
対ソの時より対中のほうが政治経済のからみが強く難しいものと思う。
日本は明治の開国以来その時代時代の世界一の軍事大国と手を結ぶのが
国是として今まで歩んできた。それはそれで間違ってはいなかったが、
最初はイギリス、次はドイツと現在ではアメリカだが二番目のドイツを
選んだのが痛恨の誤りだったのは言うを待たない。国同士にしても夫婦
友人など相手を選ぶことの大切さは、人生そのものを変えることだから
小さなエゴにとらわれて大局を見誤る事のない様にしなければならない。
沖縄基地返還や横須賀原子空母の問題に揺れる世情には一理はあっても
国家百年の計を熟慮してみよう。昔、岸信介首相が安保反対の嵐の中で
継続を決心した勇気を称えたい。