内憂外患(40)

耐震偽造の問題で、政府は公的支援策を決定して諸々の費用は公費で賄うが
ちょっと待ってもらいたい。公費は100%税金を使うことだし国民の理解を
得ての事なのだろうか。解体費用は当然に建築業者が行うべきで自然災害の
場合と違って詐欺師に引っかかった損害を助けるのなら、例えば最近の多発
している悪質リフォームに騙されたお年寄りにも救いの手を出すべきだ。
買った人は気の毒だが契約時に何故価格が安いのか、それなりの理由がある
はずで見た目と値段に釣られて買った人にまで税金を使うのは納税者として
納得出来ない。家を買えない人も大勢いるのに政府はこれを弱者救済とでも
検討しているのなら相当にピントの外れた考えと言わざるを得ないだろう。
人生にはいろいろな落とし穴が待ち受けている。「安物買いの銭失い」の諺は
目先の僅かな銭を惜しんで大損するたとえだが、私の人生とて失敗の連続で
土地、株、商売など血と汗の結晶が一瞬にして失った悔しさは数々あったが
それは自己責任であり、誰も助けてくれない、誰も不幸は悲しんでくれない。
購入者には酷だが、それだからと言って安易に公費に甘えるのはいけない。
この事件は一建築士の個人犯罪ではなく組織的な巨大な詐欺事件と言える。
耐震偽造に取り組んだ全てのワルは徹底的に締め上げて、少しでも購入者に
返済する手段を政府一体となって取り組むことが最重要課題で、はやばやと
倒産手続きをしている会社もあるが、逃げ得は絶対に許さないことだ。