内憂外患(41)

1941年の今日、大本営発表で「帝国陸海軍は本八日未明、西太平洋において
アメリカ、イギリス軍と戦闘状態に入れり」、この発表文は今も忘れない。
小学校3年生だった時、子供心にも気持ちが引き締まる衝撃的なニュースで
これで鬼畜米英を懲らしめる時機が来たと素直に喜び、正義のためなら何を
置いても実行する義務感に溢れていた。真珠湾攻撃もマレー沖の英戦艦撃沈も
戦闘機が活躍したと知れば自分も早く大きくなって大空に飛び立ち敵戦闘機と
空中戦をしたかったし小学3年生は、命を捧げる死生観も持ち合わせていた。
大東亜共栄圏の旗の下、アジアは一つと思い植民地支配から欧米人を駆逐する
聖戦と信じて大本営発表終戦の日まで日記に綴るほどの軍国少年だった。
最近の若者でかつてアメリカと戦争をしたことを知らない人も多いらしいが
60年も経ってみれば時の流れの風化で悲しいが、実際に戦争を体験した人と
しない人では人生観の違いは仕方がないかもしれない。もう史学の世界だろう。
今にして思えば、それは愚かな戦争だったし悔やむ事は多すぎる時代だったが
国民全員が一丸となったのは事実で歴史的にみても愛国心が一つになったのは
後にも先にも無かった。戦後は教育のせいか、負の遺産ばかり継いで自虐的に
なったが、あの廃墟から見事に立ち直り目ざましい経済成長を遂げた日本人の
知恵と行動、世界への物心両面の貢献など、もっと日本への自信を持つべきだ。
世界の発展は戦後の日本なくして今の成長が無かったと思っても過言ではない。
憲法始め法の改正、周辺諸国との軋轢など戦後の未解決の課題は多いが国民が
尊厳を失ってはいけない。戦争はこりごりだが丸腰は相手から侮蔑される。