内憂外患(48)

プロ野球の元名監督の仰木彬氏が逝った。70歳の峠を越えられずに惜しくも
世を去ったがイチローや野茂を育て、かつては日本シリーズで巨人を下して
日本一になった輝かしい足跡は、少し短い生涯だが満足であったに違いない。
今年は本田美奈子杉浦日向子など花の盛りの最中に散っていった人も多いが
命のはかなさ、運命の定めと呼ぶにはあまりにも勿体なさ過ぎて言葉が無い。
昔から天才的な芸術家に短命な人は多いが感性を短時間で完成したのだろう。
世の中に夢を与えてくれた人、花を添えてくれた人の死は無念そのものだ。
人はそれぞれに命の長さの定めがあるかもしれないが、一生懸命に生きた人、
社会のために尽くした人など、神はそれなりに命のご褒美はないのだろうか。
一方最近の世間を騒がせる悪徳な人間に鉄拳を加える神もいないのだろうか。
麻原彰晃のような救い難い極悪人がいつまでも生きる事さえ許されないのに
のうのうと私たちの税金を使って食べている現実の仕組みはよく分からない。
人は必ず死ぬ、といってこれから死ぬまでの期間はどのように想像してみても
サッパリ分からない。何年経っても今と同じことしか考えがつかないだろう。
哲学者は人生を思索するのだろうが、生きて死んでそれを定義付けてそれが
どうした、命の長短は持って生まれたDNAか、運命としか言いようが無い。
たとえ短命でも世に認められるくらいに物事を全う出来た人生は幸せだろう。
ご冥福を祈る。