隠居の独り言(14)

日中関係は表面的には冷えているが日本の親中派と称される人への中国からの
招待攻勢は激しくポスト小泉をめぐる思惑もからんでいるらしいが昨年暮れに
民主党前原誠司氏がアメリカで中国脅威論を説きその後に中国を訪問したら
中国の首脳たちは誰も彼と会おうともしなかった。中国では自分たちの都合の
悪い人間には聞く耳を持たないらしい。しかも前原誠司氏は靖国参拝反対論者で
いつも靖国でイチャモン付けてくる中国では歓迎されると思ったが当てが外れた。
日本の有識論者たちは首相が靖国参拝を止めれば日中関係はうまくいくと言うが
この一例を見ても中国にとっては靖国なんてどうでもいい問題で、それをタネに
日本に揺さぶりを掛けて有償無償のお金を巻き上げようとする策略に過ぎない。
それを読めない政財界の人には落胆を感じるが中国の現状と将来像を見極める
眼力と国家百年の計をどっしり構えて日本を正しくリードしてもらいたものだ。
中国の軍備拡張はやがて世界を恐怖に陥れるかも知れないが軍拡で成功した国は
歴史的にもなく、近年の日本、ドイツ、ソ連や一時のアメリカなどやがて経済が
破綻疲労して国の活力が衰える結末は中国の支配者とて知っているはずだ。
現在の中国の十数億とも言われている人口のまともに職を持っている人たちは
都市部に住んでいる数割で多くの地方の農民たちは毎日の生活にあえいでいる。
一党独裁共産主義を維持するためには貧しい多くの人たちに職を与え豊かな
生活を保障しないと多くの抱える矛盾からその体制は崩壊してしまうだろう。
中国の抱える問題は対外的なものよりも、むしろ内部的なものに他ならない。
日本の政経界に携わる人はその辺りを深く考えてもらいたい。