隠居の独り言(43)

一日に一回は小一時間の散歩をすることにしている。一人の時は早足で
ウォーキング調でサッサと歩き、孫を連れている時は孫の歩調で近所の
公園のハシゴをして遊んでいる。商売で出かける時も車の運転はやめて
遠くは電車やバスを利用する事にしているが仕事や運動の目的以外にも
見聞の楽しみも結構あって興味ある所があれば寄り道や脇道を通って
日々好々の時間を過ごしている。歳を取ると衰えは足から来ると言うが、
歩かなければ加速度的に衰えが早くそのうちに歩行困難になってしまう。
足の衰えは脳の衰えにも大いに関連があるそうで、いくら知的な勉強や
習い事をしても足腰の筋肉を動かさないと脳の活性化は望めないという。
昔の人はほんとによく歩いたと思う。参勤交代や東海道五十三次などの
本を見ても歩くそのものが生活で装備も劣った格好でと感心してしまう。
健康の為とか減量の為とかで飽食に慣れた現代人はバチが当たりそうだ。
社交ダンスの先生のお話だが、歩く時も踊る時も一直線にリズミカルに
歩行するのが格好いいウォーキングスタイルだそうで歩きの美学だろう。
颯爽とエーカッコシーを気取ることが大事でポケットに手を入れるとか
年寄り独特の手を後ろに組む事などは不恰好そのもので気をつけている。
以前に万歩計を買って歩数を計ったが数字が気になって毎日を義務的に
がむしゃらに歩く事がかえってストレスになり止めることにした。
自己流かもしれないが自分のサジ加減で適当に運動する事にしているが
そのサジ加減が自分相応の「いい加減」かもしれない。 つづく