隠居の独り言(106)

出生率最低1,25」今朝のトップニュースだが核家族化が進み少子化
ますます歯止めが効かなくなった日本の将来の家族像はどうなるのだろう。
かつての朝の風景はどこの家も家族がいっせいに起き、お父さんは出勤の
用意、子供たちは布団上げ、玄関の掃除、部屋の片付け、学校の用意など
お母さんは台所でトントンとまな板の包丁の音が聞こえてご飯や味噌汁の
匂いがたちこめ朝の雰囲気は新鮮な空気のなかで始まった。皆が出揃うと
「いただきます」の一声で小さなちゃぶ台で一緒に朝ごはんを食べた。
最近の朝の風景は某食料研究所によると、家族全員で朝食を摂る家庭が
3割を切り子供だけで食べる孤食が半分近く、また家族それぞれが別の
メニューを食べている個食傾向が高いという。そして朝食をとらない子も
1割近くいるらしい。朝から食事を挟んでの家族の対話も無く冷え冷えと
した家庭環境が想像されてくるが、晩ご飯も同じようなものだと思う。
子供から大人に育つ過程で家族間の幸福感をなくして優しい人間構成が
出来るだろうか。親の都合や共働きなどの経済活動優先ですれ違いを生み
子供が犠牲になっているとしたら幸福のありかを知らない親の怠慢だ。
子供への情緒とは「自分はいつも父母に守られている」という安心感が
あって生まれ、多少の犠牲を伴っても多くの時間を一緒に過ごすのが
育児の基本と思う。コンビニのおにぎりよりもお母さんが握ってくれた
おむすびの弁当を持った運動会や遠足は一生の思い出になるだろう。