隠居の独り言(114)

サッカーW杯の豪州戦で最後の「魔の6分間」で3点目が入った時の
TVに映し出された中田英寿の茫然自失の顔と姿が印象的だったが
勝負の厳しさを痛感する。負けた悔しさで言うわけではないが豪州の
子供の頃のイメージは嫌いな国だった。その建国だってひどいもので
18世紀に入りイギリスが流刑囚を連れて移住したのが始まりで住んで
いた原住民アポリジニを虐殺し、あるいは奴隷にした血の歴史がある。
20世紀に入っても人種間差別が激しくいわゆる白豪主義をモットーに
白人以外の移住は認めず日本人をはじめ有色人種は出入り禁止だった。
あの東京裁判のウエップ裁判長もオーストラリア人で勝った連合国側が
負けた日本だけを裁くと言う公正さを欠いたもので平和に対する罪とか
人道に対する罪とか国際法規にも無い罪状を作り上げて東条英機を始め
いわゆるA級戦犯ものなるのを作った行為は現在でも後を引いている。
今では東京裁判が違法だった事はウエップ裁判長もキーナン主席検事も
誤りを認めて後に語っているが戦前から戦後を体験した者にとっては
オーストラリアは遠いところの悪魔のような国の感じがぬぐえなかった。
現在のオーストラリアと日本の関係は親密なもので隔世の感じがするが
太平洋を挟んで隣国の豪州は日本から広大な大地への魅力に旅行客も多く
今年は日豪友好協力基本条約の30周年にあたり共に民主主義国家の
盟友としてこれから仲良くしてお互いが発展するだろう。スポーツの
好きな国民性のせいか僅か2100万人の豪州が1億2500万人の日本を
破ったのは立派だが見習わねばならない事も多い。
一度、赤い大地に置かれた巨大な石のエアーズロックを見てみたい。