隠居の独り言(118)

「お金を儲けるのはそんなに悪い事なのでしょうか」大目玉で語った村上世彰
言葉は今年の流行語になりそうだが、ひがみじゃないがけっして悪い事ではない。
問題は儲け方と使い道だ。一代でここまで築き上げた実力は堀江貴文等と並んで
立派だが、汚い手法で株価を吊り上げて売り抜けするやり方はずるい、の一言だ。
阪神星野仙一が「天罰が下る」と言ったがまさにその結果となってしまっている。
おまけにその片棒を担いだような日本銀行福井俊彦総裁は村上世彰の考え方に
共鳴してファンドにお金を拠出したと云うからあきれてものが言えない。村上に
しても高配当を続けるのはまともな事では不可能だし、インサイダー取引容疑で
いつかは逮捕されることはプロの銀行マンならとうに予測出来たはずだと思う。
日銀の総裁ともある人の今度の行為は公正中立が求められる立場をどのように
考えていられるのか自身の進退も含めて聞いてみたいものだ。一つ言えるのは
世間の人々が今回の事件を通じて日銀の役割や会社の株式投資などを知ったのは
収穫なのかもしれない。お金にまつわる事柄が多い昨今だが引き際がいいというか
驚いたのは世界一の富豪ビルゲイツが50歳の若さで会長の座を下り慈善事業に
専念するという。ウインドウズなどでPC市場をほぼ独占して世界を変えたとも
言われた彼は儲ける事も凄かったけれど人生の達観者はあっさりしたものだ。
かつてソ連崩壊で大陸間弾道弾を買い取り通信衛星に打ち上げる計画を立てたり
米政府が国連拠出金を出し渋ると肩代わりする用意があると表明したりした。
堀江貴文村上世彰に言いたいのは一生かかっても使い切れない資産を持っても
自己中心主義では誰が尊敬してくれるのだろう。社会に奉仕する精神を持った
かつてのカーネギービルゲイツの爪の垢でも煎じるといい。