隠居の独り言(154)

日本の終戦は一応は1945年8月15日となっているがアメリカでは同年
9月2日の戦艦ミズーリ号での日本降伏調印式が正式の終戦となっている。
ところがソ連は8月に入って一方的に日ソ中立条約を破って当時の満州
攻め入って60万人にも及ぶ日本人を8月23日以降シベリアに集団拉致で
強制労働をさせ6万人余りを死亡させた。この事件は戦争中の出来事でなく
戦後の平和になってからの事で決して許されるものではない。日本とソ連
間には不可侵条約があって戦争をしない約束があったのに日本が戦争末期の
瀕死の状態に卑怯極まりなく襲ったのはこれが人間のすることなのだろうか。
神戸製鋼所の元社長の牧冬彦さんはシベリアに送られた当時の捕虜の一人で
手記にこう書かれている「囚われの貨車は荒野を走るが事前の説明とは逆に
初冬の太陽は右手から昇った。貨車は北に向かい一望千里、鳥ひとつ飛ばぬ
大空の下にバイカル湖が広がった。ソ連将校の話は欺瞞と悪意に満ちたもので
収容所を転々と数年、強制労働の日々は続いた。恐るべき倦怠感と絶望的な
空虚のなかで唯一のすがりどころは祖国の夢だった・・」ソ連(ロシア)は
いまだに一片の謝罪も補償もなく、そのうえ当時の正当な日本の領土だった
樺太、千島、北方四島を占拠して現在に至っている。先のロシアサミットで
小泉首相プーチン大統領北方領土を問いかけてもけんもほろろの対応だ。
最近ではロシアも原油高騰の好景気で北方四島への投資も盛んで恒久的な
施設を作り外国からの観光客も多いと聞く。今までの日本からの経済援助は
何だったのだろう。ここにも政府の無為無策と税金の無駄使いが頭にくる!
いくら不当を叫んでみても戦争の結果とは勝ち負けが決める事で、ロシアに
謝罪させ領土を取り戻すには今一度一戦交えて勝たねば腹の虫が収まらない。