隠居の独り言(173)

アメリカの9,11事件から5年が過ぎてテロとの戦いアメリカ兵始めとして
世界でどれほどの人命と経済的な犠牲が出たか想像もつかない。イラク戦争では
日本の自衛隊まで出動して戦ったけれどテロは収まるどころか広がる一方でその
終わりは永遠にやってこないだろう。そもそもアフガニスタンイラクの戦争は
宗教戦争の色合いが多くアメリカがフセインを倒してもイラクの人は心の底から
アメリカが救世主だとは誰も思っていないしむしろ純粋なイスラム原理主義者は
キリスト教の手先のようなアメリカ兵に手向かうのは当たり前の話でその辺りが
ブッシュの読みが誤っていたのかもしれない。フセインを捕らえた時が終止符の
チャンスだったのに深入りをして出口を失ってしまった。日本だってアメリカと
イラクの戦争だから何も出て行くことはないのだが日米軍事同盟や石油の大半を
中東に頼っている現状を考えればムゲに断わるのも出来ず協力をせざるを得ない。
アメリカの考えているようにテロは力では押さえつけられない。社会は倫理感の
うえに成り立っている。仏教には「不殺生の戒め」がありキリスト・イスラム
一神教にも「汝殺すなかれ」の人を殺めてはいけない倫理観が厳然とあるのに
テロリストたちやその指導者は倫理より復讐のためを優先して規制が利かない。
最近の自爆テロリストだって正義のためと信じ込まされて自らの命を捨ててまで
過激派の指導者たちに使われるのは哀れな消耗品的な犠牲者としか思えない。
テロを防ぐには力による弾圧ではなく宗派の違った指導者たちとの話し合いが
何よりの予防策だと思う。ブッシュとオサマ・ビンラディンが直接に対で話が
出来れば解決の道は早いと思うのだが宗教の原点に立ち戻った知恵が欲しい。