隠居の独り言(243)

晦日のNHK紅白歌合戦の曲目が発表されたが、恥ずかしながら知らない
歌が多く特に最近の歌手の曲には、ついていけない自分が情けない限りだ。
紅白歌合戦の思い出は上京以来から5年前に母が亡くなるまで50数年間の
ほとんどの年末を故郷姫路で過ごして父母兄弟たちとの歓談の記憶と重なる。
母は二葉あき子が好きで「夜のプラットホーム」を聞くと故郷を離れた自分を
思い出してくれたそうでツイこの前のような気がして涙腺が弱くなってしまう。
現代のように情報機器が少なかった時代にはTVやラジオの紅白は大晦日には
欠かせない風物詩だったが趣味の多様化で紅白もマンネリになったのだろうか。
二葉あき子、美空ひばり淡谷のり子、春日八郎、田畑義男、藤山一郎などの
昭和の歌謡曲華やかなりし頃は紅白歌合戦といえば年末の大イベントのような
感じだったが、今年2006の出演者を見ても吉田拓郎矢沢永吉松任谷由実
宇多田ヒカル井上陽水、森山良子、サザンオールスターズが入っていないし
クラシックの錦織健、佐藤しのぶ達が見当たらないのは何を基準に選考したのか
説明がない。NHKの企画としては童謡、歌謡曲、流行り歌、民謡、クラシック
など多様化している音楽ファンを一手に引き受けるぐらいの熱意が欲しいものだ。
司会者も去年は視聴率を上げるために人気のみのもんたを採用したがいまひとつ
だったらしく今年の仲間由紀恵中井正広のコンビには老若男女に幅広く支持
されると思う。TVを見ている層も調査をすると若い人より中高年の人が多く、
特に65歳以上の年寄りの殆どがTVを見ているそうだが最近の流行り歌には
付いていけない。全ての年代層にあてはめるには、例えば年寄りは夜の遅いのは
苦手で早く寝る傾向なので曲の組み合わせも若者向きは後半がいいのではないか。
紅白の廃止論も出てきている昨今だが曲がり角に来ているのは間違いないだろう。