隠居の独り言(245)

今年2006年に選ばれた流行語大賞は「イナバウアー」と「品格」だそうだが
イナバウアー」はともかくとして「品格」は新語でも流行語的でもないのに
数学者、藤原正彦著の「国家の品格」が書店に並んだ一冊の本で、さまざまな
品格論に火をつけたのが選ばれた要因らしい。流行語はその時々の短命な言葉で
終わる場合もあるが、長い間に語り継がれれば広辞苑にも載せられるそうだ。
10年前からの流行語は「失楽園」「だっちゅーの」「プッチホン」「おっはー」
「小泉語録」「タマちゃん」「マニフェスト」「チョー気持ちいい」「想定内外」と
続くがどれが生き残るかはこれからの健闘次第だろう。流行語とはその世代の
事柄を表した言葉の一種で火が点いては消えるはかない運命のようだがなかには
いつまでも消えないで残る言葉もある。戦後間もなくの昭和21年の流行語は
「一億総ざんげ」でこれほど当時の日本人の心に深く突き刺さった言葉はなく、
その後の外交面では謝罪と反省の繰り返し、思想面にも影響して机上の平和論は
半世紀以上も経った今もその後遺症が後を引いて教育や道徳面に傷を残している。
それは大きな人的や経済面の損失を受けているのか日本人自体が気付かないのは
情けない思いだが、そもそも戦争の結末は昭和26年(1951)にサンフランシスコ
講和条約で連合国側と日本は平和条約に調印した時点で終わっているはずだ。
時の日本の吉田茂全権は条約の全てを受託する演説をして日本が以前の戦争で
得た領土の全てを割譲し戦勝各国に賠償金の支払いを課せられ条約は発効した。
世界の常識は平和条約発効で今までの戦争の恨みを晴らして以後は友人として
付き合いをしようと云うのが当然の成り行きだが日本がいつまでも謝罪と反省の
繰り返しをするものだから隣国の中韓などはそれを嵩にかけて何かと要求する。
戦争に正義も仁義もないが勝った連合国が正しく負けた日本が「一億総ざんげ」。
流行語は面白いがときには残酷で「勝てば官軍、負ければ賊軍」の言葉通りの
連合国から洗脳された戦後の長年の悪い夢から、もういい加減に目を覚まして、
この年末年始にまともな歴史探索をしてみよう。