隠居の独り言(358)

今年の流行語の一つは「社会保険庁詐欺」だろうが、記録紛失問題の数字が
5000万件とは国民の半分が詐欺にあったようなもので国家の権威にかかわる。
しかも厚生年金や国民年金ばかりで消えた話がないのはどうしてだろうか。
原因ははっきりしている。社保庁はじめ自分達公務員は管理が万全だからだ。
深刻なのは基礎年金だけの国民年金の人で満額でも月々僅か6万5000円の
人達が納めたはずの年金が消えてしまっては満額にも達せずあまりにひどい!
公務員の共済年金が月々約30万円からみれば年金の格差もここまで来ると
憲法14条の「すべて国民は、法の下に平等であつて・」の違反ではないか。
国民年金の場合は得た収入から月々年金を納めなければならずサラリーから
天引きされる厚生・共済年金とは年金に対する思いは天と地の差がある。
しかも厚生年金は会社の負担があり、共済年金は更に上乗せの税投入があり
三種類の年金の格差がついてしまった政府のこれまでの政策の責任は重い。
人口別でも国民5割、厚生4割、共済1割といわれているが、保険未払いや
無収入の人を基礎年金だけで暮らしている人と合算すると年金生活者の大半が
苦しんでいる。定年になって老後悠々自適で暮らしている恵まれた年金生活者を
僅か数万円で暮らしている人は何と見ているだろう。報道によれば年金の台帳が
破棄された1985年以降に退職した歴代7人の社保庁長官は退職後に関連団体に
再就職する「天下り渡り」で得た金は平均1億3200万円というからあきれる。
安倍首相は記録の紛失の調査は第三者機関に任せると言っているが、その人選も
厚生省、総務省関係の公務員が多いのなら同穴のムジナで解決は程遠いだろう。
官尊民卑」とはこのことで、封建時代の遠い昔から仕組みは変わっても中身は
全然変わらない。このうえは年金一元化のためには北欧諸国のように消費税を
大幅UPして備えるしか方法は無いだろう。年金一揆が起こらなければと願う。