隠居の独り言(363)

夏のボーナスを安倍首相はじめ主要閣僚が社保庁の不祥事で返納するという。
当たり前の話だがこれで帳消しになるわけではない。社会保険庁の事を書くと
血圧が上がるばかりだが、もしも社保庁が民間企業だったらどうなるだろう。
ボーナスどころではない。会社自体が存続不能で倒産は間違いなしの状態だ。
報道によりと千葉県白井市の約3万平方キロ広大な敷地に社会保険大学校
あって社保庁職員を対象にした研修する施設だが、その施設内にはゴルフの
練習所、カラオケルームまであって全て年金で賄ってきたというから呆れる。
そもそも研究施設にゴルフ練習所を設ける発想が世間の常識では通らない。
無駄遣いもグリーンピアも、消えた年金の不祥事もしかりだが、いっそのこと
年金そのものを無くしてはどうか。集めたり払ったりする年金の手数の膨大さ
職員の給与、会社の負担、そして税金の投入等の年金のための予算の大きさは
結局は国民一人ひとりの負担になって返ってくる。今の制度を維持するために
消費税を大幅UPする時が来るだろうが、中間に入って金を動かす連中が悪い
ことをしたのだから今の制度はご破算にするべきだ。私は昭和の生まれだが
若い頃では貯金をしていた人々の目的の第一は「老後のため」だった。働いて
貯金をして老後に備える「先憂後楽」の精神に燃えるのが、生きがいだった。
つまり「お上」をあてにしなかった。戦後の日本の高度成長は国民の世界一の
貯金率が礎になり、所得UPも連動して豊かになっていった。それが崩れて
若い者の貯金意欲が薄れ独身貴族が蔓延るようになったのは手厚い年金制度の
結果で貯金の価値観が変わり国民全体では借金をする人が増えているという。
年金制度は「勿体ない」の日本人の美意識を無くしたような気がしてならない。