隠居の独り言(374)

歳を取ると病院通いは生活の一部のようで、どこの病院も年寄りで混んでいる。
病気無しで一生を送れる人はいない。どんな剛健な人でも少しの風邪を引いたり
怪我の一つもするだろう。現代は健康ブームでタバコはいけない、野菜類はいい、
運動をしよう、睡眠は充分に等々、私が生まれた昭和初期には思いも付かなかい
事まで分かってきて、そのせいか平均寿命も延び続け、やがて100年時代も近い。
年寄りばかりではないが病院はいつも満員だし医者が少ないのがその原因らしい。
それでは医者を増やせればいいのだが、一人の医者を育てるのには相当の費用が
必要でおいそれと簡単に事が運ばないのが現実だ。医大卒業して医者になるには
低く見積もっても3000万円は掛かるし一般サラリーマンの収入ではとても無理!
医者の子供が世襲的に医者になる現実は高収入に支えられているからで、一般の
子供が医者になりたい希望があっても素質が充分に備わっていても叶えられない
現実は国家にも大きな損失ではないか。国の予算もこの辺りに充分付けるべきで
例えば公立中高校から医学部を作るとか看護部を育てる事を考えないといけない。
ともかく公立の教育だけで高等な学習が受けられたいシステムが、おかしな話で
お金持ちに生まれた子供にしか医者になれない仕組みは、どう考えても間違いだ。
患者の立場になれる優しい心は豊かな暮らしからは芽生えてこないからで、人は
痛み苦しみを体験して初めてそれが分かる。治療費は点数主義で競争意識も無く
保険治療の上にあぐらをかいている現在のシステムは名医も薮医者も同じ収入で
医は仁術のはずが算術になっている。教育改革法で教員免許が更新されることに
なったが医師免許も更新制にするべきで節目を付けることが医療事故やミスなど
医師も注意を喚起しなくてはいけない。志ある青少年には公平に誰でも挑戦出来る
職業として国の施政を待っている。