隠居の独り言(400)

「末は博士か大臣か」誰もが夢見る出世の道は狐狸妖怪が大勢棲むという政界にも
立派に生きている。「大臣」という肩書きは政治稼業には、それほど魅力的なのか、
昨日まで反安倍を旗印にしていた議員が大臣の拝命が下ると手の平を返したように
仰せつかった椅子は長く座りたい、とは滑稽だがそれなら今までの信条は何なのか。
「奢る平家久しからず」小泉純一郎郵政選挙で大勝した後を引き受けた安倍晋三
小泉独特の、お友達内閣も踏襲して同じ路線を突っ走れば「美しい国」の政治信条を
貫くことが出来ると大いに勘違いしたのがいけなかった。役者は小泉純一郎のほうが
はるかに上だった。閣僚選びの身体検査も徹底していたし5年間の小泉内閣時代には
金に関する一人の不祥事も無かった事の教訓も生かされずに満身創痍の閣僚達だった。
小泉純一郎はマジシャンのように郵政選挙で点を稼いだが国民にとってあの郵政問題は
いまだに何だか分からない。後になって気が付けば彼のお祭りに国民が踊らされた。
結局、郵政改革などは重要議題でもなく肝心の憲法、教育、税制、集団的自衛権など
日本にとって最も大切な課題を小泉純一郎は逃げて安倍晋三にバトンタッチされた。
それなら安倍は8/15日に靖国神社に参拝をすればいい。中国の半日デモは不可能で
かつての半日愛国運動があまりにうまく成功して全国大衆運動にもなりかねないし
北京五輪を控えて半日騒動は政府の存亡にも関わる重大事の自縄自縛になっている。
日中関係は大切だが主張を示さないと相手は強圧的にガス油田など資源を掠め取る。
決断力の小泉と優柔不断の安倍との差はその辺りで支持率にも大きく影響している。
前の閣僚達も最悪だったが民主党の候補者選びも何を基準にしているのだろうか。
横峯良郎の「賭けゴルフ」、姫井ゆみ子の「不倫騒動」など議員の資格があるのか!
安倍晋三岸信介を祖父に持つ血統書付のお坊ちゃんだが、家柄のいい人の良さが
裏目に出て部下達に掻き回されて参院戦に大敗をした。相手は百戦錬磨の小沢一郎
田舎道でビールケースを台にして農民に語ったドブ板作戦の姿には庶民の心を捉えて
長年の自民党の地盤も形無しの状態だった。年金問題、不良閣僚などの負のハンデが
あっても元を質せば郵政選挙の大勝で与党全体の気持ちが緩んでいたとしか思えない。
惨敗の後の第二次安倍内閣は挙党一致、実務型内閣と言えようが、どこまで持つかは
閣僚達のこれからの活躍に期待するしかない。閣内にいる実力者とは聞こえがいいが
戦後名宰相の吉田茂鳩山一郎岸信介の孫達の名門お坊ちゃん内閣は厳しい世界の
荒波を受けて立つ気迫があるのか、苦しい庶民の生活のどこまでを知っているのか。
期待と不安が交錯する新内閣でもある。