隠居の独り言(406)

政界は「安倍首相辞任」の激震でパニックだが安倍晋三も辞めるタイミングが悪い。
テロ特措法で民主党小沢一郎と党首会談を断わられたのが最大の理由らしいが、
正直のところは心身ともに疲れきったのではないか。先の参院戦の惨敗、閣僚の
不祥事、テロ特措法不成立確実、こうも次々と災難が重なれば誰でも試合放棄を
したくなる。小泉時代が終わって安倍晋三が後を継いだ時は国民は新鮮な気分に
させてもらったものだ。晋三の「美しい国」の本質は「戦後レジームの脱却」で
教育基本法国民投票法、公務員改革など今までの自民党内閣で成しえなかった
法律をこなしてきたのに国民は高く評価しなかったし年金問題でも長年に亘る
腐敗体質は安倍内閣以前の事なのに管理責任を追及されるはめになったのは辛い。
陽が沈む時は止められないように世間とは得てしてこういうものなのだろう。
著書「美しい国へ」の中で(わたしは、つねに“闘う政治家”でありたいと
願っている。それは闇雲に闘うことではない“スピーク・フォー・ジャパン”
という国民の声に耳を澄ますことなのである)折角の「首相の器」だったのに
国民の気持ちを汲み取れなかった政治手法が未熟だったとしか言いようがない。
戦後レジームの脱却」はどうなるのだろう。憲法の改正が最重要課題だが
戦後の驚異的経済発展も途上国だった周辺国にも迫られて法律では半人前の
日本の将来が危ぶまれているのにテロ特措法など集団的自衛権にも反対する
民主党などの野党の考えが民意となれば国際信用にも関わってくる。日本が
世界と対等に活躍出来る日は遠くなり孤立の道を歩むのは戦前の事を思い出す。
安倍首相の突然の退任に多くの人は言う「世界の笑いもの」「無責任」「職場放棄」・
でも失意で去っていく人の背に石を投げるような言葉は日本人の心情として
いかがなものか。安倍さん、ご苦労さまでした。