隠居の独り言(424)

兵庫県加古川市で起きた小2女児殺人事件は同じ世代の孫を持つ者として、とても
他人事とは思えない。子供達が公園で夕方まで遊んでそれぞれ三々五々に家に帰る
ごく一般的な情景が瞬時にして破壊された。殺した犯人を憎んでも憎みきれないが
女児のみならず子供たちだけの世界まで壊してしまった事で今後は親が付き添って
遊び場まで連れていかなくてはならない。幼児期に子供達だけで遊ぶのは情操には
最も良いとされているが、一人の狂人によって親にとっては子育てのプログラムも
変更せざるを得ない。今は犯人もその背景も分からないが、最近の殺人事件の多い
風潮はどうしてなのだろう。それも思いあぐねたふうでもなく、成り行きまかせに
衝動的な犯行が増えたのではないか。若い人であったり子供であったりで、それも
捕らえてみれば変質者や極悪人でなく、どこにでもいる「普通の人」の犯罪なので
世間は驚くと共に対応の仕方がとても難しい。人は誰でも「心の闇」は持っている。
その「心の闇」を閉じている理性や罪悪感は子供の頃から思春期を通じてあれこれ
悩み、問いかけながら土壌が培われて形成されていく。大人への過程で社会の中で
暮らす一員として生きていく術を覚える一歩が子供達の世界であるはずなのにその
大事な成長期を壊してしまう罪の深さは想像以上のものがあるのは過言ではない。
子供同士で喧嘩をして痛さを覚えたしガキ大将と遊んで社会の上下関係を覚えた。
人間も動物の一種だがヒナの時に覚えたものを一生涯に忘れないのは自明の理だ
少子化、治安の状況、遊び場所、教育の劣化、子供たちにとって今の日本の環境は
ますます悪化の一途を辿っているが政治も子育ての現状をもっと把握してほしい。
犯人を検挙するのは当然だが最近の事件簿を知る度に思うのは「命は大切なもの」と
教える大人達も対策もこれとて見当たらないが、とりあえず出来るものからしよう。
例えばPC,携帯の有害サイトやTVゲームの残虐シーン、性的描写等を徹底的に
取り締まる事を早急に実施するべきだ。待った無しの状況に来ている。