隠居の独り言(447)

今年のプロ野球もそろそろ終盤だがクライマックスシリーズアジアシリーズなど
新しい企画が出来てそれなりに楽しめた一年だったと思う。最終編は12/1からの
北京五輪のアジア予選の台湾遠征だが星野仙一率いる日本チームは勝って当たり前の
予想でも油断は禁物、コーチや選手の全員が気を引き締めて頑張ってほしいものだ。
プロ野球の今年のMVPは「セ」の小笠原道大と「パ」のダルビッシュ有だったが
特にダルビッシュの素晴らしさは往年に活躍したビクトル・スタルヒンを思い出す。
自分はスタルヒンを見た事は無いが2メートルの長身から投げる剛速球が打者達を
きりきり舞いをさせて三振の山を築いた。ダルビッシュはまだ21歳の伸び盛りで
どんな記録が生まれるか将来が最も楽しみとされる選手でスタルヒンが持っていた
通算300勝も夢ではない。それに姿格好の良さが加味されるのでますますいい。
ところで自分は子供の頃からの熱烈な阪神タイガースファンで当時の藤村登美男、
土井垣武、別当薫達のダイナマイト打線に惚れこみ、その後の半世紀以上もずっと
浮気せず、ダメ虎の時代が長かったがこれに耐えた。無死三塁でも外野フライ一本
打てず逆転勝ちなど夢の話、あまりにも情けなく、しばらく朝刊見るのが辛かった。
そんな頃にジーンとさせた男は先日亡くなった昭和33年の日本シリーズで三連敗の
あと四連勝した稲尾和久だ。野球は結末の見えない一つのドラマだし、地震と災害は
忘れた頃にやってくると云う。果たせるかな、万年マケ虎が球団創設50周年の昭和
60年に吉田義男監督のもとでダイナマイト打線が爆発して優勝して日本シリーズも、
かつての稲尾和久のいた西武に勝って日本一に輝いた。掛布雅之ランディ・バース
岡田彰布真弓明信等々、今に思い出しても胸が騒いだ感動劇はプロ野球の歴史に
特筆される年であったに違いない。けれどその年にあの田中角栄が倒れ政治が大きく
転換期を向かえ、阪神優勝に沸く景気は関西地区から始まりがやがてバブル景気の
始まりとなっていく。たかが野球、されど野球だが社会に与える影響は大きいと思う。