隠居の独り言(452)

今年の流行語大賞東国原英夫知事の「どげんかせんといかん」が選ばれたが
その言葉の中の彼の意思の一つに、とてもいい事を言ってくれたものがある。
「僕は徴兵制があってしかるべきだと思っている。個人的には。若者は1年か
2年は自衛隊のようなところに入らなければならないと思っている」ともいい、
「若者にはある時期、規律がきちんと身につくような教育が必要で、そういった
ものの欠落が今の社会の道徳や倫理観の喪失につながっているような気がする」
宮崎県知事が単なるお笑い芸人上がりの政治家かと思っていたが見直した感じだ。
彼の失敗の苦労が滲み出るような発言で、節操の無い若者への苦言なのだろう。
徴兵の是非はともかく、若い時に規律を重んじる施設に入るのはとてもいい事で
自衛隊、警察署、消防署や老人介護、障害者施設のボランティア等を体験すれば
その後の人生を実のあるものにするのは必定で、この案をぜひ進めてもらいたい。
逆に、このほど逮捕された守屋武昌前防衛事務次官は若い兵士と寝食を共にして
小銃担いで行軍した事があるのだろうか。キャリアの出世街道を進む事の出来る
人間こそ苦労を知るべきなのにこの文官はイラクやインド洋で自衛隊が身を粉に
して働いている最中に接待ゴルフ三昧でしかも高給を貰っていたのは情けない。
終戦からずっと禁句の徴兵制の話が出たので日本の国防について考えてみたい。
真の国防意識は心身ともに鍛錬した中から生まれる。新兵いじめが当たり前の
旧国軍からの反省で今の自衛隊は教育のためであっても鉄拳制裁は禁じている。
それでも各国の自衛隊の錬度の評価が高いのは国を守る気概を失わない各隊員の
倫理観があってのことで軍隊=悪者は戦後の左翼系の人の考えで規律を重んじる
組織に若い時に入るのはとてもいい事だと思う。徴兵制についての議論は多いが
永世中立国のスイスも徴兵制で19歳から20歳までの男子全員が兵士のための
訓練を受ける義務があるし、しかも卒業しても予備役として42歳までのあいだに
年3週間の訓練を計10回受けなければならない。世界の先進国の国々はどこも
「軍隊は国民の財産だ」と考えている。だから人々はみな軍隊という戦闘集団を
大事にしてその功績には最大限の名誉で報いている。それが世界の常識だ。