隠居の独り言(469)

最近あまり語られなくなった拉致問題はどうしたのだろう。福田首相は就任時に
「あたしの内閣で解決したい」といっていた熱意は冷めてしまったのだろうか。
小泉元首相が訪朝し北朝鮮に拉致された被害者5人が2002年に無事帰国してから
随分と年月が経つがあれから一向に問題が解決しないのは日本の外交が下手なのか
相手が強すぎるのか、六カ国協議をあてにしているのか、アメリカの出方を見るか、
それにしても長引きを通り越してしまっている。今の戦略では北朝鮮に強硬路線を
取れば相手が参ってくるだろうという希望的な憶測だがそれでいいのだろうか。
横田めぐみさんが北朝鮮に拉致されて30年の歳月が流れ父上の滋さんも健康上の
理由で激務だった家族会の会長を退かれた。解決があまりにも遅い!遅すぎる!
アメリカは中東に手一杯で早く北朝鮮と手を結びたいし中国や韓国は援助の姿勢を
崩さなければ日本は独りで虚勢を張っていても相手にとって痛くもかゆくもないし
拉致問題に限らず相手と交渉をするのなら土俵の上で同じ立場で話し合わなければ
舐められるばかりで事は進まない。北は核を持ちミサイルを日本に向け臨戦態勢で
掛かっているのだから、単に話し合いだけではいつまで経っても解決は覚束ない。
一層の強硬路線を張るのなら日本は北朝鮮に対して「わが国はいつでも貴国に対し
ミサイルでも核でも保有し、戦う意思がありますよ」と啖呵を切るくらいの外交が
出来ないものなのか。拉致被害者の立場になればこれくらいの事は言いたいものだ。
戦争を禁じた憲法九条の文言は立派なものだが、残念ながら北朝鮮には通用しない。
特に近隣諸国の日本に対する理不尽な行動や言葉には歯軋りを噛む悔しさが多いが
拉致も北朝鮮にとっては、日本は何も出来ないと計算づくの行為で私たちの生命や
国の尊厳を損なわれた。強硬とは反対に話し合いで解決出来ると主張する社民党
左翼的な人はぜひ将軍様にひれ伏して被害者を一日も早く取り戻して欲しい。