隠居の独り言(528)

福田首相胡錦濤中国国家主席との日中首脳会談の成果は何だったのだろうか。
共同声明では「戦略的互恵関係を包括的に推進し、両国の平和共存、世代友好、
互恵協力、共同発展という崇高な目標を実現していく」と一応は謳っているが
東シナ海ガス油田、毒入りギョウザ、等の両国に課せられた問題も何の進展も
無く、国際的なチベット問題や、限りなく不気味な軍備拡張も止める気もなく
身勝手な尖閣の領有権要求もそのまま、国連の日本の常任安保理入りの支持も
無く、何の戦略的互恵関係か?弱気の日本はまたも世界の笑いものではないか。
早速、人のいい日本人は胡錦濤主席が土産にパンダをプレゼントしてくれたと
思っている人が多いが、あれはタダで貰ったものでなく年間に一億円以上とも
云われる高額のレンタル料を払ってまで上野動物園に展示する必要があるのか?
何も知らない子供たちは喜ぶだろうが税金を使ったODAの一種ではないか。
パンダが初めて日本にやってきたのは1972年に日中国交正常化が実現された
田中角栄元首相と周恩来首相との約束で日本に贈与されたが、当時は映像も
さほど普及していなかった時でパンダを知る人も少なく、ぬいぐるみのような
愛くるしい姿は「世界の珍獣」と紹介され熱狂的に日本中にもてはやされたが
今はもうそんな時代じゃない。中国も絶滅の危機を理由に贈与をやめ貸与する
形にして高額レンタル料を取るが石原慎太郎知事も「何もご神体じゃない」と
慎重な構えを示している。中国に勿体付けられ、金銭を絞り取られ、そこまで
パンダが必要か。今後、上野動物園のパンダ舎の前に「借り料年間一億円」の
説明書きを示して一般来訪者に見て考えてもらうといいと思う。パンダ外交を
餌に釣られた日中首脳会談の成果は、日本がまたも狡猾にしてやられた。