隠居の独り言(545)

北京五輪が近づいている。注目の一つは開会式に世界のどの国の首脳が欠席するのか。
福田首相は出席のご意向らしいが、ドイツ・ポーランドエストニアスロバキア
ブラジルは欠席、フランスはダライ・ラマを名誉市民にし状況が改善されなければ
サルコジ大統領はボイコットで、イギリスもチャールズ皇太子は出席しないと声明、
アメリカでは次期大統領候補のマケイン・オバマ両氏がいずれもブッシュ大統領
不参加を求めている。こうした欧米と日本の対応の違いはどこから来るのだろうか。
たしかに欧米は中国とは場所も離れているし人種も違うので言いたい事も言える。
過去の植民地的支配については謝罪もしないし歴史の結果としか捉えていないのは
宗教観や人種的なもの、地勢的な距離感が冷静に判断することができるのだろう。
日本は中国とは隣国であり60年前まで敵同士として戦った暗い歴史もあったが
今では経済も深く関って互いに相手がいなければ生きていけない間柄になっている。
福田首相はじめ親中政治家の中国に媚びた姿勢はますます相手を高飛車にさせるが
東シナ海ガス油田、尖閣諸島、ODA,毒入り餃子、反日運動、靖国等々どこまで
我慢しなければならないのか。欧米諸国のやり方は開会式不出席とは言いながらも
別の方面では、きちんと手を打っているところで外交下手な日本は手も足も出ない。
世界情勢は中国の台頭で、これまで築いてきた日本の経済、頭脳、システムなどの
屋台骨が崩れ始めているのを日本人のどれだけが気付いているのか、寒い気がする。
台湾では政権を取った国民党の馬英九は若い時からの反日主義者の香港生まれだが
台湾語よりも英語が得意だという彼は早速、日本に尖閣でイチャモンをつけている。
こうして台湾が中国に吸い込まれていくが台湾海峡が中国の内海になる日は近い。
来日したオーストラリアのラッド首相も中国語が得意で日本より先に中国を訪れて
中国重視の姿勢を伝えている。アメリカ民主党は歴史的にも日本よりも中国寄りで
ルーズベルトクリントン、そして今回のオバマ候補もその姿勢は変わらない。
11月の大統領選挙で民主党オバマが勝てば日本にとって容易ならない影響がある。
じわじわと孤立していく日本の現状をどうすればいいのだろう。知ってか知らずか、
日本の与野党の何と狭義な国会論議の虚しさよ。挙国一致は今を置いてないはずだ。