隠居の独り言(615)

用事があって車で走行中に久しぶりに国会中継を聞いたが、たまにはいいものだ。
麻生太郎首相の答弁もいつもの麻生節でやれば面白いのだが原稿棒読みの感じなのは
つまらない。質疑も答弁も用意された原稿のみでは何のための大勢の国会議員なのか。
首相の答弁で「医師は社会的常識がかなり欠落している人が多い」との自身の発言で
「不適切な発言をした事はまことに軽率であり申し訳ない」と陳謝したが彼の失言は
今に始まったことじゃない。医師の中には横柄で常識の無い人間がいるのも事実だが、
それは職業すべからく同じで首相の発言は見当違いだ。失言の癖は直らないだろうし、
答弁の中で何度も初歩的な漢字が正しく読めていないことが指摘されているのも、
英語は読めて話せても日本語を正確に読めないのは日本の総理として恥ずかしい。
自分も最初は麻生太郎に期待したが日本の場合は誰が総理大臣になっても生活が
たいして変わらないのだから、もっと尊敬の出来る人が政治家の中にいないのか、
この際、即刻総選挙をして自民党は一旦下野してもう一度やり直したほうがいい。


俗に「ただより高いものはない」という。与党が提案している定額給付金
案に相違して世論の風当たりが厳しいのは、国の財政が大赤字でこれ以上の
借金を重ねる事への不信感と、選挙目当てが見え見えなのは国民がそこまで
単純ではないことを政治家は知るべきだ。3年後には消費税アップを公言し
増税路線の予定なのだから小ざかしい事は止めたほうがいい。たとえ景気の
浮揚のためといっても低所得者は生活費に消えてしまうだろうし高所得者
関心も無いだろう。一部の中間層がスーツの一着でも買うのか、一泊旅行に
出かけるぐらいでは予定されている2兆円の10%くらいが還元されるだけだ。
給付金を出したいのであれば、本当に困っている人、たとえば年金給付者で
共済や厚生から外れた国民年金のみで暮らしている貧しい老人にあげるべきだ。
月々6万円以下の年金しか貰えない現状を政治家は実感した事はあるのか?
政治家は「政治」という原点をしっかりと模索してもらいたい。