隠居の独り言(622)

どのメディアも麻生内閣の支持率の急落を伝えている。いったい支持率とは
何の意味があるのだろうか。少数のサンプルを抽出してあたかも世間一般の
評判だと論じているが移ろいやすい世論はメディアの操作で内閣の命運にも
影響してくる。民主主義たる国民の総選挙で選び、その行政にあたる内閣が
組閣して僅か2ヶ月なのにとやかく言うのはメディアも考えてもらいたい。
今の世界的な景気後退の大波は誰が内閣をやっても経済的苦境からの脱出は
無理に決まっている。たしかに麻生太郎は党内では少数派で例えば道路問題・
地方行政などの政策も思うようにはいかないのは辛いところで、例の軽口の
ベランメェ節の不適切発言も自ら足を引っ張ったのも事実だが内閣の中にも
頑張っている人もいるのだから長い目で見るのが世間の裁量というものだ。
自民党の中にも麻生太郎をかつて担ぎ上げながら、今は後ろ指を指す狭量な
輩がいるのも情けない。といって対の小沢一郎の支持もたいしたことはなく
麻生もダメなら小沢もダメという判断にしか映らない。では誰がいいのか?
いっそ、そのまんま東を政界入りさせて麻生後継に推薦してみたらどうか。
支持率とか世論とかはその場限りの陽炎の雰囲気のようなものだと思うが
過去にも圧倒的な人気と支持を誇った田中角栄は列島改造論で地価高騰の
バブルを作って国内を混乱させ最後はロッキード疑惑で獄中入りになった。
新進党という新鮮だったはずの細川護煕は、所詮は殿様宰相で、途中半端で
政権を投げ出し国民の期待を裏切った。スタートは順風満帆のライオン宰相、
小泉純一郎構造改革の旗印で経済や生活の二極分化で格差を拡大させた。
逆に支持率低下で参院選を惨敗した安倍晋三教育基本法国家公務員法
防衛省昇格法等の重要法案を通している。もっと遡れば日露戦争後の交渉で
小村寿太郎が立派な成果を挙げたのにメディアの扇動で石を投げられたし、
第二次世界大戦前もメディアは軍国主義一辺倒の記事で国民をその気にさせ
踊らされたのも途方も無く罪が深い。外国も同じでアドルフ・ヒトラー
ドイツ国民の圧倒的な支持で政権を取っている。世論とはそういうものだ。
麻生太郎に言いたいのは支持率は株と同じで下がりもすれば上がりもする。
メディアが作った世論に惑わされないで、必要なのは自らが決めた政策を
しっかりと邁進するのが正道だ。国民の多くは麻生太郎を信じている。