隠居の独り言(629)

中国の大地震アメリカの金融危機、インドの同時テロ等々、天災人災の続いた
2008年の終わりとともにアメリカ大統領のブッシュも政権の座から去っていく。
先だってのイラク訪問で現地の記者から靴を投げられる屈辱的シーンがあったが
ブッシュの失政はそれを象徴するように、イラク戦争やアフガン介入に尽きる。
9,11のテロの仕返しのつもりなのだろうがキリスト教イスラム教の宗教的な
争いにしか思えないのはこの手の戦争は始まりも終わりも無い消耗戦でしかない。
イラクの場合もフセイン政権を倒すという大義名分がフセインを逮捕した時点で
アメリカ軍が撤退していれば理由が立ったし、ブッシュも男が上がったはずだ。
引き際を間違えた施政者の失敗は多くの人を悲しませ終わりの無い悲劇が続く・・
それは1000年も前の11世紀末から13世紀まで約300年も続いた十字軍戦争の
時のように結局は勝者も敗者もなく互いに傷付けあっただけの徹を踏んでいる。
超大国アメリカの傲慢が歴史を学ばなかった教訓を知る思いだが、教訓といえば
80年前の世界大恐慌の時に先進諸国が保護主義になって戦争の遠因になったが
その繰り返しが今回の金融危機の後の処理で、破綻しかけているビッグスリー
自動車会社を助けようと税金を投入しているのは保護主義的で、いただけない。
世間の流れである低燃費の車の製造技術から遅れ高燃費の売れない製品ばかりの
会社の方針と経営者から労働者まで高賃金の体質ではいくら融資しても先が暗い。
生き残る道を経営陣も労組も分かっていない。近い将来にビックスリーの破綻から
アメリカ経済はイラク同様に泥沼に陥るのは必至の情勢だが、日本がアメリカの
国債を相当に保有しているのはどうなるのだろう。ますます冷え込むアメリカの
経済は日米間の貿易も大幅に圧縮され日本の財政再建は遠のき近い将来に増税
のしかかるという三重苦にあえぐ昨今だが、歴史的にもペリー来航、世界大戦の
外圧で大きく変わった過去を顧みれば、今回の大きな経済的外圧が国の仕組みを
変えるほどの大波がやってくるのは確実のように思えてならない。心配するのは
諸外国が保護主義になり1930年代の世界大恐慌の後の不始末で世界戦争の世紀に
入った徹を踏まないで欲しい。来る2009年の政治経済は大変な年になるはずだが
官庁の御用納めが済むと街は静けさを取り戻している。これは嵐の前の静けさか・・
新聞の雑誌広告の目次を見る。飯島愛の死、氷川きよし和田アキ子の紅白トリ、
イチローWBC、たけし・さんま・タモリの忍び寄る老い等々、日本を直撃する
混乱の経済の行方も政治の行方も何処かの世界のように思えてくる。