隠居の独り言(648)

発表では国内総生産年率比で−12,7%と2ケタの大幅落ち込みとなった。
100年に一度の世界金融危機は巡りめぐって、わが零細企業にも深い影を
投げている。その最たる原因は受注の減少と価格の値下げだが、今までは
過去の実績を見れば大体の予想がついたけれど今回ばかりは先が見えない。
原料費、設備費、光熱費そして人件費を切り詰め更に出荷価格を下げても
受注のアップは期待出来そうになく、いつまで屋台骨が持つのだろうか。
そのうえ預貯金の資産の底が見えてくれば廃業もやむをえない事態となる。
街を歩けば安売りの看板が立ち並び価格崩壊の嵐がとどまるをしらない。
ガソリン価格は90円、250円の弁当、1000円の洋服、3000円の自転車、
20,000円の海外旅行、電器屋では32型のTVが10万円を切っているし
新築マンション価格も1000万円単位の値引きは常識化しているという。
反面にデフレは一定の収入が安定している人には、こんないい時代はない。
失業した人、賃金をカットされた人、中小企業の経営者、人員削減による
不安は消費を控えさせ、負の連鎖はどこまで堕ちていくのか分からない。
ニュースキャスターや有識者がシタリ顔で世間の不況を解説しているが
収入の安定した彼らに実感として何が分かるというのか。政治家達にも
この危機感が無いのは議員個々の歳入が決まっているからで一般庶民の
ストレスは溜まり上げた拳の下げどころが無い。まもなく春闘交渉だが
労働側は賃上げを要求するというから自分勝手な論理に呆れてしまう。
高度成長期にはみんなが潤ったのだから不況の時もみんなが妥協すれば
いいのではないか。労使ともに賃金を下げる交渉をする時がきている。
勿論、議員も公務員も、そして年金受給者も泣く時は共に泣くべきだ。
不況のツケでますます貧富の格差を広げてはいけないと思う。日本中の
パイは決まっているのだから、出来るだけ公平に配分する裁量が欲しい。