隠居の独り言(652)

麻生首相が前に行なわれた(郵政民営化選挙)は実は自分は反対だったとの
ご意見を予算委員会の席上でぶちまけた。それはそれで随分と大人げないと
思っていたら今度は小泉純一郎が喧嘩を売られたと思ったらしく、旅行先で
今の与党の三分の二の議席は誰のお陰かと、のたまいた。どっちもどっちだ。
子供の喧嘩じゃあるまいし国家の総理&元総理という二人のTOPが演じた
劇場の芝居は、誰が脚本を書いたのか、体たらくな低い喜劇としか映らない。
麻生太郎小泉純一郎も、それぞれにユニークなキャラがあって人間的には
面白い人物で友人として付き合いたい御仁だが、首相の器として少し疑問だ。
それにしても首相の仕事はハードそのもので最近の麻生太郎樺太に飛んで
ロシア大統領と話し国会審議の途中でワシントンに飛んでオバマ大統領に会う。
マスコミも少しは労をねぎらってあげればいいのに批判ばかりは情に欠ける。
少年の頃、政治に興味が湧いたのは戦後間もなくのことで当時は吉田茂だが
首相という言葉と位に対して尊敬とともに畏怖の気分すら持っていたものだ。
自分の上京は敗戦から3年目だが廃墟となった日本が食糧難の飢餓や失業の
どん底にあえいでいた混乱の最中の首相の役目は大変なものであっただろう。
しかも吉田は進駐軍占領下で連合軍最高司令長官ダグラス・マッカーサー
臆する事なく渡り合い日本の復興と独立をかちえて高度成長の基礎を作った。
ワンマンと言わしめバカヤロー解散は有名だが野党を相手にせず大臣でさえ
寄せ付けない威厳と風格と実績はそれこそ100年に一度の首相の器といえる。
歴史の不思議な巡り合わせは現在の日本が当時と同様に不況のどん底にあり
周辺諸国との軋轢も当時と殆ど変わらない時期に三代目にあたる麻生太郎
首相になったことだが祖父との違いは信念を貫き通すくらいの迫力も無いし
未曾有の危機だというのに三代目は将来の設計とメッセージを示さない。
格好だけは高級な洋服で身をこなし流暢な英語を話し漫画を読み漁るのは
結構な事だが、ただそれだけの人にしか映らないのは国民にとっては悲劇で
政治家の世襲のマイナスが出ている。お坊ちゃん首相はそろそろ卒業したい。