隠居の独り言(657)

卒業式のシーズンだが何年かを共に過ごした仲間達と最後のひとときを飾る
卒業ソングの人気調査の結果がこのほど発表された。2009年版の心に沁みる
みんなの好きなベスト・テンは1位がで卒業式のレミオロメン「3月9日」が
雰囲気に最もいいと、10代-20代に人気ある歌として定着しているようだ。
2位は海援隊の「贈る言葉」、3位は松任谷由美の「卒業写真」、4位は合唱曲の
旅立ちの日に」、5位は森山直太朗の「さくら・独唱」、6位はSPEEDの
my graduation」、7位はコブクロ「桜」、8位は尾崎豊の「卒業」、9位は
EXILEの「道」、10位に、やっと嘗て歌った「仰げば尊し」が入っている。
歌は世に連れ、世は歌に連れ、というが戦前戦中育ちの播磨屋には卒業式は
遠い昔の出来事で、歌もここまで来たかと感無量の思いで結果票を見ている。
昭和の時代の卒業ソング定番は云うまでもなく「蛍の光」と「仰げば尊し」で
送る在学生が「蛍」を歌い、卒業生が「仰げば」を歌うのが通例となっていた。
二曲を例えても歌詞はとても良いのだが歌というのは単にメロディだけでなく、
内容が大事でその言葉を失い、ひいては日本語がさらに貧しくなっていくのを
先生も生徒も気づいて欲しい。流行りの歌も結構だが、卒業式は人生の節目で
歌を聞けば当時を想い胸が熱くなるのは思い入れが大きいからで、だからこそ
中身の濃い歌を歌って欲しい。自分が子供の頃の歌は文部省唱歌が主だったが
唱歌の歌詞の美しさは格別で音楽を通じて美しい日本語を知った思いがする。
仰げば尊し我が師の恩・」学校の授業だけでなく人生の針路を教えてくれた
我が師・川崎先生は今なお尊敬し、その恩は生涯忘れない。先生に教えられた
教訓と道しるべは一生の宝だ。比べるもないが今の先生方の中には優秀な人も
少なくないが、サラリーマン化した教師の多くは、仰げば尊ぶほどの、厳しさ、
優しさ、熱心さがあるのだろうか。近頃は教室には教壇が無く、先生と生徒が
同じ高さの位置というのもおかしいし、生徒と友達気分で接するのはいけない。
それが先生への尊敬心を低下させ、学力や道徳にも影響するのを知るべきだ。
卒業ソングひとつとっても今昔の思いだが文部科学省日教組教育委員会
教育に携わる者は将来を担う子供達に、しっかりと日本の文化を伝えて欲しい。