隠居の独り言(713)

昨年の大河ドラマ宮崎あおい瑛太主演の「篤姫」がヒットしてから歴史を
好きになった人が多く、今年の「天地人」もTV視聴率のTOPを維持している。
視聴者の、所謂「歴史好き」と言う人は例えば南北期は足利尊氏後醍醐天皇
戦ったとか、応仁の乱が戦国期の幕開けだとか、幕末期の大政奉還は二条城とか、
歴史の変わり目に当る事件とか年号とかの相関関係に詳しく、その辺りの歴史を
探求する人は今まで男性が多かったが最近はレキジョという女性が増えたという。
もっと進むと、江戸時代では泥棒が十両盗めば死刑になったとか、大岡越前守が
大きな鼻毛抜きを使用したとか、花魁は未婚の女性なのにお歯黒をしていたとか・・
言えばきりがない。もう一方で「時代劇好き」の人がいて必殺仕事人、葵の印籠、
桃太郎侍鬼平犯科帳、等々・映画やTVの娯楽作品の定番は、正義感があって、
チョンマゲやチャンバラが好きで、でも大抵のストーリーの結末は決まっている。
時代物と言われる日本の昔物語はおおむね、この二種類の人達で支えられている。
一年間に亘る大河ドラマはこの二種類のファンを満足させなければ飽きられるし
現代風にアレンジして上下関係や夫婦愛などドラマ性として分かりやすく中には
歴史的には無かったような筋書きや、架空?の人物も配置して面白くしている。
初音(長澤まさみ)、お涼(木村佳乃)、よし(西原亜希)など実存の記録は無い。
戦国時代は最終幕を迎え、天正18年(1590年)秀吉(笹野高史)は北条攻めに
出陣するが「歴史好き」にはこれから1600年の関が原までの10年間は堪らない。
ドラマは景勝(北村一輝)が、前田利家宇津井健)、真田昌幸岩松了)と組み、
北条の支城を陥落させるが、負城の大道寺政繁に景勝と兼続(妻夫木聡)は酒を
振る舞って敵にも礼節を持って接する上杉の心に利家は感服する。一方、秀吉は
政宗松田龍平)が参陣しない事にいら立っていた。でも政宗も世間を悟ったか
遂に参陣を決意、豊臣軍の軍議中に、突如政宗が姿を現す。しかし遅参したため、
伊達は会津領を没収され政宗はそのまま帰されてしまう。戦いは北條に利あらず
全面降伏し、ここに秀吉による天下統一が実現する。戦後に家康(松方弘樹)は
北條の旧領、関東へ移封され江戸に城を築き徳川幕府の基礎が出来上がっていく。