隠居の独り言(734)

麻生内閣は今日、総辞職し半世紀以上に亘った自民党政権の幕が遂に降ろされる。
司馬遼太郎の著書の「最後の将軍」の題名のように徳川幕府15代将軍・慶喜
薩長連合の江戸総攻撃の前に江戸城を明け渡した心境と同じではないだろうか。
周知の通り麻生太郎は何度も訪れた絶好の解散の時期を逸したけれど、彼なりに
政局より政策を優先して実行したが、殆どが裏目に出てしまった。消費税論議
公務員改革の内紛、閣僚の失言や醜態が彼の足を引っ張った。首相の反転攻勢が
無かったわけではない。小沢一郎の違法献金事件、北朝鮮のミサイル発射の時期、
それでも動かない。世間の流れとチャンスの好機をものに出来るのが古今東西
英傑の価値だが結果論だが何も出来ずに優柔不断のまま選挙を向かえてしまった。
思えばここ十数年の自民党政権に進歩が見られなかった。昭和のバブルがはじけ
日銀はゼロ金利のまま、経済の成長は止まり、国債は増え続け、年金は破綻寸前、
二極化分化はますます広がりをみせている。この間、自民党は何をしてきたのか。
来年度の国家予算は税収よりも国債の額が多いという。家計に譬えれば給料より
借金のほうが多く、しかも生活費を下げないという、あってはならない実生活で
破産がすぐそばに来ているのと同じ状態だ。ここは新政権が前政権のもたらした
悪しき慣習を正して健全経済に持っていくのが筋なのに、子供手当て、農業支援、
高速無料化、等々性懲り無く財源も考えないで借金の山を高くするのは情けない。
エラそうな小沢一郎、宇宙人の鳩山由紀夫、笑顔が無い岡田克也、狸親父の管直人
日教組の親分、輿石東・・明るさの無い民主党のリーダー達に明日があるのか?
憂鬱が消えない。