隠居の独り言(763)

一休さんの歌「正月や冥途の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし」
歌はしみじみと沁みるが、これは年齢に関らず老いも若きも人生は確実に
死に向かっているので、生きとし生きるもの、今更じたばたも無いだろう。
年毎に季節があるように晩秋の景色が自分の人生に重なるが、その分長く
世間を見聞し、いろいろと体験出来たのだから申し分ない人生と感謝する。
体験というというのは素晴らしい!TVで野球を見るより、球場へ行って
試合を見れば迫力が肌で感じられるし、それより自分が草野球で三振して
苦やしい思いを体験したほうが遥かに面白い。ゴルフだってコースに出て
OBや池ポチャしたほうが、自らの興奮度はTV観戦の比ではない。
それはともかく、今年の活躍した若いスポーツの花形選手たちを顧みる。
ゴルフでは賞金王を巡る戦いで男子は18歳の石川遼と23歳の池田勇太
女子は24歳の横峯さくらと23歳の諸見里しのぶ、若き天才に目を瞠る。
野球では田中将大ダルビッシュ等々の若者はどこまで伸びるのだろう?
集中力の極みのフィギュアは安藤美姫浅田真央高橋大輔織田信成
書き出したらキリが無い。彼らは限られた天才だが「一万時間の法則」と
いうのがあって、プロになるには一万時間を費やす。つまり毎日の練習を
三時間励んで十年で一万時間になる計算だが、その中で、超の付く天才は、
それ以上の努力と運とオーラが無ければ名を成さないのは言うまでもない。
「天才とは99%の発汗と1%の霊感の賜物だ」エジソンの言葉通りと思う。
ところでスーパースター・タイガー・ウッズが、このところの醜聞報道で
巷を賑わせているが、現在までに得た収入は10億ドル(880億円)とか、
でも彼はあれだけの男だから恋慕う女も多く、宜しいのではという意見と
倫理的に×との意見、でもスポーツ精神の夢を壊してはいけないと思う。
昔「セビリアの理髪師」などオペラの大作曲家イタリアのロッシーニ
若い頃に相当稼いで30代で引退し、その後はパリで遊蕩三昧の生活を
40年以上も続け、76歳で生涯を閉じたという。何とも羨ましい人生だ。
ウッズもこれだけ稼いだのだから潔く引退して遊び三昧を尽くせばいい。
下手な聖人君子像はやめ一般的な庶民になれば、そのほうが幸せだろう。
天才も一皮剥けば、天才バカボンなのは言うまでもない。