隠居の独り言(772)

パンとサーカスという格言がある。古代ローマの世相を揶揄した言葉で
国家が無償でパン=食糧とサーカス=娯楽を与え庶民を政治的盲目にした。
世界史上最大の帝国・古代ローマも時代が経つほどに様々な矛盾を抱える。
今の社会福祉政策をイメージさせるが、あくまで支給は庶民の権利ではなく
為政者による恩寵として理解されていた。この政策によって働くのをやめた
怠け者と懸命に働いた人たちとの貧富の格差ができ、ローマ帝国末期には
国庫が極端に窮乏し底をついた14世紀末にも提供の記録が残されているが、
1500年近く続いたローマはこうして滅びていった。どこかの国に似ている。
例えば、昨日会社更生法の適用を申請した民間の日航のための債権カットで
700億円の税金が失われたのに、これに懲りず再建のために再び9000億円も
出資するとの話は、債権者のはずの国民に相談したのか?今までの半官半民の
腐った癒着の関連や、採算も考えずに組合員の優遇策の企業年金問題などの
おそらくは税金を溝に捨てるような無駄なことに血税を使って欲しくない。
一民間企業なのだから赤字で困っている国家が救済するなんて話しが違う!
例えば子供手当て、家には育ち盛りの孫が6人もいるが手当てを頂いても
貯金に回るだけで直接に消費に結びつかない。たしかに子供を育てる苦労は
並大抵でないが夫婦が子供を儲けるのは金銭のためでなく子供への慈しみと
子孫を残す自然の営みで、損得として政治に利用しているとしか思えない。
理由の一つに収入の格差で塾へ行けない生徒が多いからだという。それは
義務教育の質が落ちたからで今の子供達は塾通いしないと真っ当な大学へ
進学出来ない。一昔前まで学校の勉強を頑張れば東大合格も夢でなかった。
中には学校へ塾の先生を招いて補習授業をしているという。実に情けない!
手当てより低レベルの原因を作った文科省日教組が猛省するのが先だろう。
日航の手当ても、子供手当ても、巨大な無駄遣い!国債返還に回すべきだ!
何事も100%の最良はあり得ない。お金の配分よりも借金返済の手立てが
国家100年の最重要の課題ではないか。汚い金にまみれた小鳩政権が政治を
担っているのはまさに日本の悲劇といえる。選んだわれわれが愚民なのか?