隠居の独り言(773)

ここ先般の経済的事情からか会社間の合併・統合が相続いている。競争社会の
真っ只中にあって競い合うより互いの長点を生かして一緒になるのは開発費や
販売力にとっていいかも知れないが競争的心理からくる人間の開発力や能力や
損なわれしまうデメリットも危惧される。ブランドという価値も大きな問題だ。
コンビニのam、pmがファミリーマートに、スタンドのJOMOがENEOS
名称が一本化されるのは時代の流れだが、食品大手のキリンとサントリー
統合してビールや諸飲料の名称も変わるのだろうか。百貨店の三越伊勢丹
大丸と松坂屋の統合後の社名はどうなのか。日本人はブランドにはとても弱い。
ひと昔の有閑マダムのセリフは「今日は帝劇、明日は三越」が決まりのようで
今でも三越の買い物袋を提げて闊歩するご婦人の誇らしさを垣間見る気がする。
これはブランド志向というもので、例えば世界のお金持ちや権力者の共通する
乗用車のブランドはベンツ一辺倒だが、これは信仰に近いものを持っている。
自分はベンツを持ったことが無いのでその良さが分からないが、同じ値段なら
トヨタのレクサスのほうが乗り心地も性能も燃費も遥かに勝っていると思うが
まぁ貧乏人のヒガミなのだろう。ともかく日本人はドイツ・ブランドには弱い。
話はそれるが日本人がドイツかぶれになったのは明治の初期頃で維新の最初は
政府の方針で秀才が主にフランスに留学して西洋文化を取り入れようとしたが、
おりしも普仏戦争でドイツが勝ったものだから急遽、留学先をドイツに変更し
以来ドイツ派の政治家・軍部が国を取り仕切り、先の大戦でドイツと心中した。
話は戻って高級ブランドのこだわりは日本が以前に二流国といわれた時代から
生まれたようで高級ブランドで固めた紳士の身だしなみは、アルマーニの洋服、
エルメスのタイ、バーバリーのコート、ボルサリーノの帽子、サントーニの靴、
それにダンヒルの喫煙具、ロレックスの時計、等々「粋」に飾れば申し分ない。
自分には縁の無いブランドだが、要するに「通」になるとこれにかぎるとくる。
落語の世界にも昔の殿様にこんな方がおられたそうな!サンマは目黒にかぎる!