隠居の独り言(778)

新聞の三面記事で鳥取県や埼玉県で結婚詐欺に纏わる殺人事件の報道を見ると
殺された男性は気の毒だが、何故このような女に引っかかったのか、考えれば
社会のひずみから起きた事件だろう。最近は家族の間のコミュニケーションや
近所付き合い、友人も少なく人間関係の希薄さが顕著になって、安っぽい女の
甘い仕草や、うわべだけの巧言令色を簡単に信じて騙されてしまう。詐欺師は
こうした手口で何百万、何千万のお金を巻き上げ用済みになれば殺めてしまう。
あまりに短絡的な犯行は憎いが被害にあった人の何故こうも人が良すぎるのか?
僅か数回の出会いで詐欺女は優しさと哀しさを演じて金銭をせびり、男は従順に
金を渡せば一緒になれると信じて鬼畜の餌食になった。男と女の夫婦約束なんて
そんな簡単なものじゃない。今までの日本人の結婚観はそうでなかったはずだ。
男には男の強さや優しさ求められたし女には女のたしなみや慎みが求められた。
今はオカマっぽい男が多く出現し、テメーとかヤベーと話す女学生を聞くのは
日本人も堕ちたものだと思う。戦争の後で民主主義を手にした日本人は世代が
交代する毎に自由の履き違えが大きくなっていく。環境や言葉の劣化は著しく
ケータイやゲームなど機器の便利さと人と関らなくても生きていける社会的な
構造が大きく影響しているのではないか。関連があるが、最近とみに孤独死
増えているという。家族、友人、社会から孤立して暮らしている人が多い。
統計でいえば生涯未婚で過ごす人が男性は三人に一人、女性は四人に一人で
それぞれに個人的な要素があっても、生きるには苦楽を共有する家族であり、
信じあえる友人とのコミュニケーションが無いと人生は灰色になってしまう。
詐欺事件の増大は犯罪者も被害者も共通点は人間的情緒の欠落ではないか・・