隠居の独り言(789)

バンクーバーは終わった。閉会式に浅田真央が旗手を勤めたのはとても良かった。
終盤のスピードスケート女子団体の0,02秒差というのは運の悪戯としか言えない。
日本のメダルは銀3銅2だが世界の実力からいって選手達はほんとによく戦った。
でも韓国は日本の人口の半分なのにメダル数は金6を含めて14個は立派なもので
それに中国も金5で11個の数字には同じ東洋人の体格なのにどうして違うのか?
それは五輪に賭ける国家戦略がまるで違う。中韓は報奨金、年金制度、徴兵免除等
選手の士気を高める背景がありその底辺の広さなど国家規模の強化策には敵わない。
その中で何といっても女子フィギュアーは華だったが報道によるとNHKTVの
26日の昼間に放送された浅田真央安藤美姫キム・ヨナらが出場したフリーの
視聴率が46%というから国民の半分は見ていた勘定になる。結果はキム・ヨナ・・
考えれば天の配剤というべきで日韓にとって上手く収まる良い結果だったと思う。
韓国にとって、そうならなければならない金メダルで、もし真央が一位だったら
まともに収まらない雰囲気が感じられた。韓国はキム・ヨナに賭ける熱意は尋常な
ものでなく、当初から選手村に入った真央と、コーチや母親等とホテル住まいした
ヨナでは競技の前から勝負がついていた。日本は真央が銀メダルを下げ帰国しても
歓迎だが韓国では銀なら承知しないだろう。思うだけでも韓国人の感情は少し怖い。
韓国は民主主義国家だが、まだその辺りはナショナリズムの持つ毒を相対比出来る
日本や欧米の先進諸国とは決定的に異なる。オリンピックは個人競技のはずなのに
いつのまにか国家主義や商業宣伝媒体の裏面工作が蠢めくイベントになっている。
「肝要なのは勝利者になったということではなく健気に戦ったということである」
近代オリンピックの創立者クーベルタン男爵の言葉と精神はどこへいったのか?