隠居の独り言(790)

ギターコンサートは、月に一度の割合で聴きにいくが、その大半は入場料が無料で、
それはとても有り難い。でも実はタダというのはあまり良くないのではないか・・
無料コンサートの客は、わりあいと無責任で騒がしいし、高額の入場料を支払った
演奏会場では投資した分、楽しみたいと思うからか客や会場の雰囲気も違ってくる。
実際、出演者達は身を削る思いで日々の練習を重ね、多額の会場のリース料を払い、
そのうえプログラム一枚もデザインから紙数まで多くの労力と費用で出来ている。
素人の演奏は無料、プロは飯の種だから有料なのは当然としても、それは出演料の
違いであって、コンサートに掛ける費用はたいして差が無い。素人の演奏する人は
発表の場を持ちたい、聴いていただきたい、舞台に立つ緊張感を楽しみたい、との
意向でタダにする気持ちは理解できるが、観客にとってその好意に甘え過ぎるのは
良くないのではないか?世の中は八百屋の大根一本でも金が必要で、本屋から一冊
黙って持ってくれば万引きだ。演奏会というのは、聴く側も楽しんでいるのだから
善意をタダで頂いている気がしないではない。老人ホームなどボランティア演奏は
奉仕の精神なので元が違う話だが、演奏会での個人的な意見を許していただければ
せめてプログラムの紙代として基金箱の一つも置くべきで、たとえ100玉一枚でも
薄謝の気持ちを添えれば、豊かな気分で演奏を聴けるではないか。それともう一つ
会場で感想を書いてくださいという紙を渡されるときがあるが、それはなによりの
意志の疎通で奏者が今日は良かったのか、悪かったのか、満足していただけたのか?
あとで感想文を読むのは至福のものであるので、感想を書いて感謝の意を表したい。
春になれば、あちこちで演奏会が待っている。観客の一人として豊かに楽しみたい。