隠居の独り言(797)

普天間基地問題はなかなか決まらない。当たり前だ。アメリカも沖縄の人達も
100%満足できる場所があるわけがないし、十数年も苦労して日米が合意した
シュワブ沿岸案を蹴飛ばして、これ以上の良い案があるとでも思ったのか?
民間の取引なら契約を破棄するもので多額の違約金を請求されても仕方がない。
それ以上に互いの信頼感が損なわれてしまう。どうして現行案がいけないのか?
その説明も無いまま、さまようのが分からない。まして国家と国家との約束事を
反故にする無責任と、その重みを与党は何と考えているのか能天気は恐ろしい。
先日、日米で今までの核持ち込みなど外務省のいわゆる「密約」の調査が終わり
岡田外相が公表しそのうえ鳩山首相非核三原則を見直す考えはないとの発言は
近隣諸国からみれば何とお人好しのバカ正直な国かと内心、ほくそ笑んでいる。
密約の件は既に終わった話しで、今さら騒ぎ立てるのは不純な動機さえ感じるが
外交は一定の機密はつきものと思う。今まで非核三原則は表向き、公然の秘密の
米軍の核持込みは、日米の暗黙の了解という、あいまいさが近隣諸国への無言の
圧力となって極東の軍事バランスを保ってきた。外交術はトランプのポーカーで
どの国も強気と駆け引きで日本のように手の内のカードを明かす事はあり得ない。
北朝鮮が核保有を自ら宣言し、アメリカがミサイルを日本に向けたままの中国と
蜜月状態になりつつある現状に、アメリカに背を向けて日本が生きていけるのか。
阿吽の日米間の信頼を暴きだして同盟関係をガラス張りにしようとする非常識は
鳩山首相の言う友愛外交の意図なのか。まして日本には国家機密スパイ法も無い。
古今東西、人類の戦いは表向きの戦いより裏側の諜報合戦で勝敗が決まっていた。
先の大戦だって戦う前から日米の諜報力の差が大きかった。緒戦の真珠湾攻撃
既に暗号が完璧に読まれていて老朽した戦艦だけを残し最新空母は真珠湾に無く
日本は大成功と喜ぶ報道をアメリカ首脳部は手を叩いた。そのうえ卑怯な日本と
国民の戦意をあおってアメリカは一石二鳥のリメンバー・パールハーバーだった。
翌年のミッドウエー海戦で日本艦隊が壊滅したのも米軍の暗号解読で奇襲された。
日本は連合軍の暗号を読めず敗戦の一途を辿ったが、もし暗号を解読していれば
ヤルタ会談の情報を入手しソ連の介入を防げた。外交防衛は情報の機密と戦略は
欠かせないが、素人目にも鳩山首相の友愛精神は家に鍵を掛けないのと同じだ!