隠居の独り言(839)

マニフェストなどで政治主導という言葉が政治家やマスコミが盛んに口にするが
政治を官僚任せでなく選挙で民意を受けた政治家が主導権を握るとの意味合いで
民主主義の原則であり、当たり前のように思えてくるが大きな落とし穴もある。
選挙の度に出てくる何とかチルドレンや名の売れたスポーツ選手、芸能人などの
ズブの素人が官僚を動かせるとでも思っているのか?とんでもない勘違いと思う!
政策に関しての専門知識、経験、見識等、政治家を遥かに優れる官僚たちを使う
大きな度量があるとは到底思えない。官僚とは子供の頃から中学、高校、大学、
上級国家試験などの試験につぐ試験を勝ち抜け日本中の全ての階層から選ばれた
最優秀のエリート集団といっていい。そのエリートたちに働いてもらうためには
政治家の思想信条が必要だが果たしてしっかりとした長期的戦略を示せるのか?
現政権の内部に「国家戦略室」というのがあるが、あれは何のためにあるのか?
国の命運を担う大仕事を官僚の頭越に決めるというのは不安極まる。沖縄の例で
何年もかけて官僚たちが積み重ね、解決のメドが就き始めていた普天間の問題を
小鳩政権が政治主導という名のもとに一挙に崩してしまった。普天間にかぎらず、
政治と金、国債の償還、デフレ不況、地方の疲弊、派遣労働者、税金のバラマキ、
ねじれ国会、消費税、今こそが長期的な国家的戦略を描かなくてはならないのに
管直人首相はじめ閣僚達にも気概はまるで無く「国家戦略室」は形骸化している。
先の大戦も外交音痴の軍部が経験豊かな外務官僚を無視して暴走したのが原因だ。
官僚の無法な天下りは許せないが転職後の退職金の廃止、報酬の上限を決めれば
いいのであって官僚の優秀な知恵袋を生かし共に手を携え国のため働いて欲しい。
最近の政治家は下手なポピュリズムに走って美味しそうなマニフェストを言うが
それは糖尿病患者に酒や馳走を勧めるようなもの・・確実に日本は堕ちていく!