隠居の独り言(867)

事業仕分けという政治ショーの第三幕がようやく終わった。国民にとっては
並み居る官僚達がバッタバッタと切り倒されているさまはドラマ水戸黄門
見ているようで概ね好評だったが「ご印籠」をマイクに替えて手にしている
黄門役の蓮舫議員の威丈高な態度が気に入らないのは自分だけなのだろうか。
官僚達の悪しき慣習の仕分けのはずなのにテレビカメラを恐らくは意識した
彼女の矢継ぎ早の攻撃的質問に一方的に押しまくられている官僚が気の毒で
却って同情してしまう。聞く耳持たずの詰問は第一幕の基礎的科学の予算で
「なぜ二位ではいけないのですか」の言葉で彼女の不勉強さを垣間見たのに
仕分け役を続けさせる民主党の意図が貧弱そのものだ。また彼女の白い服は
ブランド品でジャケット55万を始め合わせて約130万円の値段だそうだが
先日発表された新任閣僚資産公開では蓮舫議員は「土地建物0円、家族資産
1037万、本人の資産378万」とはまともに信じられない。そして官僚には
「1円の重みが分かっていない人に1円の徴収権はない」とは、よく言える!
男女を区別する気は無いが仕分けという裁判にも似た役は感情がモロに出る
女性議員より男性議員のほうが仕分けを冷静に判断できる気がしてならない。
譬えが適切でないが我が家もときどき夫婦喧嘩をする。声の大きさ激しさに
勝るのはいつも女房の方で早く終戦に持ち込まないと戦線は徐々に拡大して
全面戦争に発展してしまう。こちらが忘れている昔のことや何の関連もない
こちらの癖や、育ちの悪さ、稼ぎの少なさなどを持ち出されてなじられる。
つまりヒステリックな感情で効果的に相手を傷つけるのは女性の方が勝るが
国家的根幹の事業仕分けはショーではない。個々の案件の官僚達を攻撃して
鬱憤晴らしするより縦割行政を国会と政府という大所高所から改革するのが
真の仕分けだろう。トカゲの尻尾切りみたいな人気取り的な政治ショーより
政治家自身の仕分けが待ったなしの状況にある。