隠居の独り言(899)

最近、管直人首相はじめ政治家のボキャブラリーと表現力について感じるのは
言葉に対しての感性の無さで例えば記者への「ぶら下がり会見」で素顔を見せ
テレビで国民に話しかけるのだから、そのとき心打つ言葉の一つも出ないのか?
与野党を問わずキャリアを積んだ熟練の政治家たちの履歴を見れば一流の大学で
政治学の勉強や弁論も多く経験したはずなのに激動の世界情勢にも言い訳ばかり、
国民の感情の変化にも無頓着で、さして進歩も無く、それでいて得意然として
話しをしている顔つきにはうんざりする。同じ信念でも同じ結論でも伝えるなら
その都度の空気を読みながら自由自在の表現力が無ければ政治家の資格を疑う。
政治家に即興詩人的な才能も必要と思う。政治は言葉ではないが、言葉でないと
何で国民に伝える。国は違うがオバマ大統領の何と饒舌で耳心地の良い演説には
言葉の意味は分からなくてもうっとりとしてしまう。いつも言葉尻を捉えられて
弁解ばかりでは言葉の感性の貧しさが招くもので一国の宰相として淋し過ぎる。
閑話休題。今の国債は返済不能天文学的数字で福祉、年金、外交、防衛などの
日本が抱える難問に多大な影響が出ているが、そもそも30年前の大平内閣時に
国債の将来の危機感を覚えて消費税の導入を検討したが国民は導入に反対をして
衆院選自民党が惨敗をしたが、その後の各党ともに消費税の論議は封印をした。
国民の甘えにも原因大だが、もしあの時に消費税導入していれば今の国債赤字に
苦しむことはなかったはずだ。それは大平内閣の説明が足りず総理の大平正芳
アー・ウー総理とも称され演説下手な人だったが国家財政の先行きを分かり易く
丁寧に語れば国民は納得をしたと思う。たかが言葉というなかれ、それが言葉だ!
その10年後に竹下内閣が3%の消費税導入をしたが竹下登も演説上手といえず
またも選挙で負けた。気が付けば1000兆円の世界一の国家の借金は歴代首相の
言葉の貧しさが要因の一つだろう。言葉の誠意と大切さをつくづく感じる。