隠居の独り言(907)

世界数十か国の研究グループが参加する「世界価値観調査」というのがあり
そのなかに「もし戦争が起こったら国のため戦うか?」とういう問題がある。
2010年の結果を見ると戦うと答えた者の割合は日本が15%で世界の最下位、
一つ上のドイツが30%だから図抜けて低い。高い方ではベトナムが94%で
二位は中国の90%となっている。これは先の大戦で日本とドイツは犠牲者の
多くを出したので戦争はもうコリゴリと思っている数字と考えるのは早計で
犠牲者の人数は勝ったロシアや中国は負けた日独を倍する数字になっている。
その意識は勝利者側の満足感と敗北者側の屈辱感がもたらした意識の違いで
戦争に負ければ戦争の原因は負けた側に100%押し付けられ領土を取られて
多額の賠償金を払わせさられる。戦後に進駐軍が入って日本の責任者たちは
戦争犯罪人として処罰され二度と立ち上がれないよう去勢された米製憲法
押し付けられ日本人の心は自虐的に洗脳され今なお愛国心まで喪失している。
今、北アフリカや中近東では圧政への反発によるデモの連鎖が起きているが
デモは愛国というものでなく自由の無い弾圧からの脱却と貧困からの爆発で
自然発生的に発生したもので国民の愛国意識とは程遠い。そもそも中近東や
アフリカの国境線はかつての西欧列強の植民地時代の名残で現地の人たちの
意識や宗教観を無視されて線引きされたもので本来の国家の構成といえない。
それに現在の権力者達も欧米諸国には都合のいい息のかかった人物ばかりで
未だ封建主義的制度は一般庶民がとても気の毒に思う。リビアカダフィ
自国民に対し雇い兵を入れて無差別に銃撃したというが独裁者の末路だろう。
流血騒ぎの政権交代を見て改めて平和と豊かさの日本に生まれた幸せを思う。
この騒ぎがアラブ諸国に限らず全体主義や非民主主義的国家に生きる人々が
自由にモノが言え自由に行動できる日が来る胎動であって欲しい。この際に
アラブも西洋列強が作った国家概念でなく自らが本音で部族の間や宗教観を
乗り越えた国のあり方を考えてみよう。そこに初めて真の愛国心が芽生える。