隠居の独り言(916)

いよいよ春の選抜高校野球が始まった。男は野球の無い季節は淋しいものだ。
野球が無いシーズンは一人ぼっちの孤舟族のように日々の一喜一憂まで失い
精神状態も虚ろになっている。この度は予期せぬ大震災のため野球の興味は
お預けの状態だが、それにしてもやっと季節が来た思いがして心が落ち着く。
関西生まれのせいか根っからの寅吉だが、阪神が勝てば大吉、負ければ大凶、
昔からその日の気分も左右された骨董品的野球ファンの一人と自負している。
今年は大震災の影響でスタートが遅れたが開幕日の考えがセとパで違うのは
どうしてか?被災地にも野球ファンが多いと思うので普通のスケジュールで
良かったのでは・・・高校野球も予定通り被災地の東北高校が出場している。
ただし今の電力事情からして当分の間は東日本でのナイターは自粛すべきだ。
野球という字は正岡子規が生みの親だが野外または野原での球技という意で
この際原点に帰って太陽のもとで試合しよう。贅沢なナイターなんて論外だ。
今年は優秀新人選手の豊穣な年も楽しみで特にハンカチ王子こと斎藤佑樹
連日のようにマスコミは報道し熱狂的なファンに追っかけられても平常心で
清潔感、闘志、謙虚、冷静・・きりなく並べても何十年に一度の逸材だろう。
早大の同期・大石達也福井優也、中大の沢村拓一・優秀な人が目白押しだ。
今年の新人の中から、かつての長嶋茂雄王貞治のようなスーパースターが
出てくる気がしてならない。何年ぶりかの期待が野球界を盛り上げるはずだ。
以前は人気のセ、実力のパと言われたが最近はパのほうが実際に面白いので
今年は被災地の仙台を本拠地にしている東北楽天イーグルスを応援したい。
昨年は最下位だったが今年は星野仙一が本領発揮でどこまで順位を上げるか?
寅吉は今さら他球団へ心替えは無いが今年も信仰心に近い野球熱に浮かれる。
たかが野球、されど野球だが、沈んだ日本を野球が明るくしてくれるだろう。