隠居の独り言(924)

3月11日の東北大震災の日から早や一ヶ月が過ぎたがTVや新聞の報道は
被災地の悲惨な映像ばかりで具体的な復興のプランが未だに見えてこない。
戦時中に福島県で足かけ5年を暮らしたことがあるので東北人の人情味や
強さを肌で知っているだけに第二の故郷の思いで胸が詰まる。この震災は
他人事でなく今も近い親戚が数軒あり、福島の親戚の一軒は揺れで半壊し
岩手の親戚の嫁の実家は津波で流された。物的、人的被害の具体的事情は
書きたくないので打ち切るが復興の切実な問題は将来のプランが示されず
各省庁がバラバラに行動しているのは管総理のリーダーの資格が問われる。
管総理は被災地の視察や東電の責任云々の行動はさておいて有事の場合の
総理は何をおいてもまず行政各部門の最高責任者の事務次官会議を開いて
縦割り行政の横串しを通した総力戦をすべきなのに視察や東電の対応など
官僚に任せ陣頭指揮をしっかりするのが役目ではないか。被災地視察先で
口先は頑張ってくださいで何の具体策も示さなければ総理とは何なのか?
しかも政府は国会に震災対策の法案が一本の提出も無いとはなにごとか!
震災は相手の無い戦争で「敵」の姿が見えないだけに余計に難しい戦争だ。
今は戦争と同様に安全保障会議を開いて各大臣、事務次官も加え自衛隊
統合幕僚長や幹部を出席させ非常時の指揮系統をすべきなのにそれも無い。
原発事故も避難指示が最初は半径10キロ以内、20-30キロと増えていく・・
東電の責任も責められるべきだが政府の対応も国民の不安を煽っている。
今回の震災の被害金額は直接的なものだけで30兆円以上という。しかし
復興の予算どころか国債が900兆円もあり国家予算の10年分に相当する。
人的、物的な保障や復興のための資金は想像もつかない。早急な行動には
子供手当や高速道路無料等のマニフェストを即時中止し復興資金の一部に
当てるべきだ。現実問題として期限立法で20%以上の消費税を新設するか、
それとも今の生活レベルを20%くらい切り詰める現実と覚悟が必要となる。
「がんばろう日本」日本人の美徳と英知が試される。