隠居の独り言(939)

戦前の5月27日は「海軍記念日」で各家庭では日の丸の旗を玄関に掲げていた。
戦後は祝日に玄関に国旗を掲揚するのは稀になったのは記念日の意味の稀薄か?
祝日が多すぎて面倒なのか?それとも愛国心の欠如なのか?時代の流れを感じる。
1905年、日露戦争のクライマックスといわれる日本海海戦東郷平八郎率いる
日本連合艦隊とロシアのバルチック艦隊との海戦で日本軍が海戦史上まれにみる
一方的勝利でポーツマス講和会議の道を開いた。当時世界最大の軍事力を有した
ロシア帝国の敗北は世界を驚愕させ白人国による植民地主義にヒビが入ったのは
彼らに搾取されていたアジア・アフリカの人達を狂喜させ世界が大きく転換した。
日露戦争で日本は勝利を収めたが見方を変えれば白人国家と有色人国家の逆転は
それまで世界を我が物にしてきた白人にとり屈辱そのもので、やがて日本に対し
陰湿な復讐が始まる。ポーツマス講和会議での講和の条件は日本が南樺太領有と
日本は満州の権利獲得で一件落着したがロシアにとって樺太は元々日本領土だし
満州は清の領土からの撤退で賠償金もおろか領土は一寸たりとも割譲していない。
それより日本の満州の権益獲得は日中間を離反させ裏ではアメリカとフランスが
手を組んで中国支援の資金を出してやがて日中戦争の火種を作り出す原因になる。
それに気付かなかった日本は愚かにも滅びた清王朝を担ぎ無理に満州国建国をし
世界の孤児になり国連を脱退してヒトラーと同盟し先の大戦で奈落の底に堕ちた。
しかし20世紀を世界史的な視野から見ればパワーゲームの主役は日本であった。
20世紀初頭の世界三大強国はロシア、イギリス、中国だったが小さな島国日本と
戦って衰運に傾いていった。ロシアは君主帝国を失い、中国は日本と和平を断り
挙句共産党に敗れ台湾に逃げたし、イギリスは先の大戦で全アジアの植民地を失い
往年の大英帝国の栄光が消えた。歴史は戻らないが昔の日本の栄光が懐かしい!