隠居の独り言(944)

ものごとには落とし所というのがあって自らの出処進退もタイミングが良ければ
後世まで良き名を残すが一歩間違えれば未来永劫まで当人の悪い印象は拭えない。
意見が分かれた時に良いリーダーは多数の人が納得する結論に導くのが器と思う。
今未曾有の日本の危機だからこそ強いリーダーのもとで与野党問わず私利を捨て
国難に立ち向かうべきなのに我が国の不幸は強力なリーダーがいなかったことだ。
管総理のミスや場当たり的な発言で不評をかい、内閣不信任を突きつけられても
「みせかけ退陣表明」で未だ総理の座に恋々と固執するのはみっともないと思う。
それでも退陣時期の前倒しで民主党内では既にポスト管の内紛が始まっているが
国難をよそに政治家の野心、欲望、奸計、打算、陰謀の渦巻く修羅の巷のようで
震災の被害者はどう見ているのだろうか?2年前の衆院選民主党は圧勝したが
それは自民党へのお灸と絵に描いた餅のマニフェストによるもので突然に襲った
大震災の対応には実にお粗末で世間はままならない。外国から見ても年中変わる
首相の顔と日本のお粗末さは政治と経済の格付けを下げられても仕方ないだろう。
民主・自民の両幹事長が大連立の構想を打ち出したがオールジャパンのためには
それもいいだろう。でも一番肝心の問題は強いリーダーシップを誰が取るのか?
下馬評には民主の前原誠司野田佳彦、自民の谷垣禎一石破茂、等々の議員が
俎上に乗るが強さの決定打に欠ける。この国難に小粒的な政治家のトップよりも
大物の政治家が必要ではないか?私見だが相応しいのは自民の安倍晋三元首相が
最適だと思う。安倍は首相時代に戦後レジームからの脱却や「教育基本法」等の
理念に没頭したが閣僚のスキャンダルや自らの健康問題で退陣に追い込まれた。
そして「一応のめど」がついたとき次の若手が政治理念を存分に発揮すればいい。
震災とともに未曾有の政治危機であるのを憂える。