1945年の夏

harimaya2011-08-08

福島県白河市疎開した小学6年生の少年は
新聞配達の仕事を手伝った。当時の新聞紙は
一枚を半分に折っただけの粗末な紙だったが
折るときに指でヒューッと鳴る音を出すのが
得意だった。そんな無邪気な少年が8月初旬、
新聞の巻頭で「米、広島に新型爆弾投下」と
書かれてあるのを見て不吉な感が胸を痛めた。
新型爆弾とは何だろう?大人の誰も答えない。
原子爆弾を知ったのも、ソ連が参戦したのも、日本が遂に戦争に負けてしまったのも、
どこを思い出していいのか全てが一緒になって、ただあの夏が特に暑かったのを思う。
敗戦,貧乏、飢餓、偏見など福島は良い思い出は少ないが少年時代の一ページであり
今、第二の故郷が東日本震災や放射能被害の惨状を知れば言い表せぬ無常感が漂う。